サッカーの部活中、左足首を痛めた男子高校生

■2022/02/06 サッカーの部活中、左足首を痛めた男子高校生
この男子高校生は
サッカー部で中心的な存在らしい。

彼は数ヶ月に一回ぐらいの割で
膝とか首を痛めて
やって来るのだが
今回は左足首が痛いという。

飛んできたボールを
左足で止めようとしたら
足が持っていかれてしまい
それ以来
痛くなったというのである。

「どこが痛むの?」
「内踝です」

内踝周辺の足根骨の
あちこちを触ってみるが
それほどの歪みは生じていない。

一応、怪しそうな足根骨を
動かしてみても
やはり手ごたえがない。

それで脛骨全体を診てみると
「あったあった」
膝から下の
5センチぐらいのところが
大きく曲がっていた。

右側と比較しても
明らかに曲がり具合が違っている。

「これだね」

曲がった脛骨を伸ばす時
私は、脛骨と腓骨の間の
前脛骨筋と後ろ側にある後脛骨筋を
左右の指で挟みこんで刺激する。

上下に動かしながら
しばらく刺激を続けていると
曲がった部分が
徐々に改善してきた。

左右が大体同じぐらいに
なったところで
施術を終了した。

ベッドから降り立ち
膝を屈伸させてみる彼。

「痛くない」
とニッコリとした。
笑うと、まだあどけなさが
残っている。

一緒に来ていたお母さんも
「ほんと?」
息子を見上げ
ホッと胸をなでおろした
表情になった。

脛骨が曲がると
どうして
内踝が痛くなるのだろうか?
それは、曲がったことで
脛骨自体の長さが
ほんの僅かだが
短くなるからである。


彼は2週間後に
母親と一緒に再来院した。
「まだ足首が痛むの?」
と私が訊く。
「足首は大丈夫です。
今日は全体を調整してほしくて」

「本当は”あ、い、た、い、ん”だよね」
と私が言うと

お母さんが笑いながら
「来週テストがあるので」
と言った。

テストの前に
身体のバランスを整えると
集中力が高まる。
だからそれはとても
賢い選択なのだ。




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